本郷百貨店
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街の情報をブログで発信「ホテル機山館」 重本正文さん

 新幹線も特急電車もなかった時代、本郷は上野にたどり着いた上京者のための旅館街として栄えていた。重本正文さんはそうした旅館を前身とする「ホテル機山館」の4代目。今日も各地から本郷を訪れる人々を迎えている。

旅館のもてなしの心を受け継いで

機山館は昭和12年(1937年)の創業だ。屋号は山梨出身の創業者が郷土ゆかりの武田信玄の法号にあやかって付けたという。本郷の旅館や下宿屋の大半が時代の流れとともに廃業する中、機山館は30年ほど前にビジネスホテルに業態変更。現在の利用者はビジネス客の他、修学旅行や部活動の遠征で東京を訪れる中高生、本郷という土地柄から大学関係者が中心で、学会開催時には海外からの来訪者も増えている。また、東京ドームでのスポーツやイベントの観戦を目的とする宿泊客も多く、取材当日もフロント前はアイドルのコンサートに向かう若い女性客で賑わっていた。
「ホテルに変わっても、お客様を迎える心持ちは旅館時代と変わらず、『おもてなし』の心を大切にしています。おひとりずつのご予定や目的に合わせて、画一的ではなく、また、過度にならないサービスを提供できるように心がけています」

本郷の街の情報をブログで発信

本郷は観光地としての認知度は低めだ。代わりに「人が多すぎず、街の雰囲気が落ち着いている。かつてはさまざまな文人が暮らし、今も神社仏閣が多く、歴史的な魅力があります」と語る。そんな街の趣きをたくさんの人に知ってほしいと、機山館のウェブサイト内のブログでは、本郷の年中行事や観光スポットを紹介している。
 重本さんは子供の頃から教師になりたかったという。大学は教育学部に進学し、卒業後は学習塾に就職。しかし、ほどなく先々代の祖母が亡くなり、それを機に機山館に入社した。
「入社後は3代目である父の背中を見ながら、ウェブサイトを立ち上げたり、英語表記の案内をつくったり、以前は手の届かなかったところを整備する仕事に携わっています。ブログによる情報発信もその一環です」
 「このチラシも僕がつくったんですよ」と年末の宴会プランのチラシを差し出しながらはにかむ重本さん。「ホテル業界に入って3年目。まだ修行中の身です。けれども将来、先代からこの機山館を引き継ぐときには家業の歴史を意識しつつ、本郷で生まれ育ったホテルマンとしても地域にもっと貢献していきたいと思っています」。

ホテル機山館

東京都文京区本郷4-37-20
電話:03-3812-1211
kizankan.co.jp

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