本郷百貨店
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文京区初の女性専用コワーキングスペース「Albo」 寺本眞子さん

 コワーキングスペースは、さまざまな業種や年齢の人たちが実務や打ち合わせの場所を共有しながら独立して各自の仕事を行うスペースのこと。シェアオフィスやレンタルオフィスと違って実務スペースは図書館の閲覧室のように仕切りがなく、会員同士の交流を重視するところが多いのも特徴だ。
 「Albo(アルボ)」は会員を女性に限り、現在23名が入会している。オープンは2013年1月。寺本眞子さんと平野正子さんが共同経営する株式会社M2.Fが運営にあたる。

ボストンと本郷に共通点を感じてピンときた

 寺本さんは生まれも育ちも本郷。近年、このあたり一帯で空き店舗が増えていると聞き、地元の活性化のために何かできないかと考え、「起業を目指す女性たちが、その一歩を踏み出す手助けをしたい」と、女性専用コワーキングスペースの開設を思い立った。
 寺本さんも平野さんも日系航空会社の客室乗務員を経て、現在は建築設計やインテリアデザインを本業にしている。その関係でアメリカのボストンを訪れた際、多くのコワーキングスペースを見かけた。ボストンには世界有数の大学が全米一集まり、若くして起業を目指す人が大勢いる。そういう人たちが古いビルをリノベーション(改修)したコワーキングスペースで、ごく自然に働いていた。
 その光景を目の当たりにしたとき、寺本さんは「ピンときた」という。「本郷も大学の街ですし、このビルは築40年。何かしら通じるものを感じたんですね」。

ここを拠点に女性のための起業支援の輪を広げていく

 「Albo」は本郷三丁目の交差点から徒歩1分のビルにあり、2階がメインオフィス、3階がセミナールームだ。壁の塗装は二人が自ら行ったそうで、2階は淡いグリーン、3階は薄いピンク。3階は男性も入室でき、会員以外の時間貸しにも応じている。「オフィス然としていないから気持ちが和らいでアイデアが出る、と男性だけで利用されるケースもあるんですよ」。
 オープンして半年くらいは試行錯誤が続いたが、懇親会などで会員同士が交流を深め、今ではそれぞれの職能を活かした新しい仕事がここから生まれている。昨年は、会員独自の企画による対外的なイベントも初めて開催した。「ここは単なるレンタルスペースではないと、会員の皆さんがどんどん実績をつくってくれている。何かを生み出す場所にしていきたいという設立時の夢に近づいています」と寺本さんは微笑む。
 ここを拠点に二人が今後力を入れようとしているのが、出産・育児を経た女性たちの社会復帰や起業の支援だ。文京区と協働し、「Albo」会員の協力も得ながら進めていくという。「子育てがひと段落した後、社会復帰したい、起業したいと考えているなら、社会とのつながりを細くとも保ち続けることが大切。やっぱり『継続は力なり』で、継続できるようにサポートしていきたいんです」。寺本さんも平野さんも、仕事を続けながら子供を二人育て上げた先達だ。
 この「Albo」は二人にとっても起業だった。派手なことをせず、一歩ずつ着実に、誠実に。寺本さんたちが目標に向かっていく姿は本郷の街をどこか思わせる。(文:長井美暁 写真:清水美由紀)

Albo

文京区本郷4-37-9
文京区本郷4-2-12 芙蓉堂第3ビル2階
電話番号:03-3830-0430
www.m2firm.com

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